約 264,419 件
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/8805.html
武装神姫アーク 火 R (4) 3000+ ヒューマノイド(フレイムランス) ■スピードアタッカー ■パワーアタッカー+4000 ■相手ターン中、このクリーチャーのパワーは+3000される ■このクリーチャーが攻撃する時、相手のブロッカーを持つクリーチャー1体を破壊する (F)もう終わりぃ? 作者:マイルス 代理作成:紅鬼 評価 武装神姫アーンヴァルと戦って神姫バト(黙 えと、効果の方は小さくなった源氏といった感じですね。Wブレイカー持ちじゃないので、使用感覚はロウバンレイに近いかも -- 紅鬼 (2011-01-03 01 53 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/857.html
戦うことを忘れた武装神姫・各種設定-2 ちっちゃいもの研の中の人たち。 登場人物 ちっちゃい物研とは 主要技術解説 登場人物 Dr.CTa(木野羽さんご) ちっちゃい物研(下記参照)の研究員 沙羅・ヴェルナのマスター、久遠とは大学の同期(腐れ縁) メカを大事にしない者は大嫌い 愛車は1400ccの国産大型4気筒バイク、ヨツワは無し 沙羅(Sala)(紅緒・改) 好き:青空、白桃缶詰 嫌い:雨(過去の記憶) 属性:熱血 ヴェルナ(velna)(サイフォス・改) 好き:こたつ、みかん 嫌い:孤独(過去の記憶) 属性:頭脳派 アルテミス(Artemis)(ゼルノグラード) 好き:お絵かき(同人誌描き)・模型組み立て(フィギュア) 嫌い:締切を破ること・美しくない造形 属性:腐女子 Mk-Z(水間崎(みまさき)) ちっちゃい物研(下記参照)の研究員 マーヤのマスター(おにいさま) CTaの一番弟子・久遠の高校の後輩 容赦なくCTaに偽名を付与された、お人好し メカを大事にしない者は逝ってよし マーヤ(Maaya)(ツガル) 好き:おにーさま(Mk-Z) 嫌い:納豆(ネバネバするもの) 属性:超絶妹 リーヤ(Lilja)(ジルダリア) 好き:酒 嫌い:乾燥 属性:イケイケ サーヤ(Sarya)(ジュビジー) 好き:マーヤ 嫌い:暑さ 属性:妄想暴走系 係長(Subsection Chief) ちっちゃい物研(下記参照)の開発部係長。 華麗なる独身貴族。ディーニャ(下記参照)の 開発担当のひとり。 酒と温泉があれば幸せ。 ディーニャ(D-Nya)(T-TAK) 「森に住む猫」をイメージし、東杜田技研にて試作された旅サポートMMS。 好き:酒 嫌い:たいくつ 属性:ワガママお嬢 ちっちゃい物研とは ちっちゃい物研とは通称名であり、正式には 「(株)東杜田技研・小型機械技術研究製作部」 という大変に長ったらしい名前。KHINIグループの研究開発部門 が子会社化された会社で、従業員は50人程度。 なので、正職員でも「ちっちゃいもの研」と、名刺に入れる者が いるほど。基本的には医療分野を始めとした各種マイクロマシン の研究を行っているが、片手間に汎用の小型ロボットの研究開発 や改造・修理も請け負っている。 ここで勤務する「Dr.CTa」は医療分野が主な研究分野であるが、 ちっちゃい物研でも指折りのロボット愛好家で、また改造、特に 補修技術に関しては相当の評価がある。(その方面での論文を出 した実績もある程。) ちなみに久遠は、医療分野での絡みから、CTaとの交流を持って いる。(もっとも、先の通りCTaとは大学が同期でもあるのだが。) 久遠の依頼で沙羅、ヴェルナの治療(修復)を行った。また久遠の 神姫達の定期健診も、久遠の「腐れ縁」という立場を利用しタダで させられているらしい。 そのかわり、久遠の神姫に「食物消化-エネルギー変換機構」を搭載 させ実験台としている模様。 主要技術解説 食事機能(久遠・Dr.CTa所有の神姫に搭載されている機能) 食事機能は、Dr.CTaが自らの技術に関する論文を書くために行って いる研究(実証実験)のひとつ。 Dr.CTaは「食事により全エネルギーを賄う」方向と人間(オーナー) との「コミュニケーション手段としての食事」と捉える方向の、二つ のテーマで「食事機能の開発研究」を進めている。 最終目標は上記の2テーマを統合・実用化することであるが、まずは それぞれを「実用」レベルへ持っていくことが目標とか。 ようやく実証実験できるまでこぎ着けたようで、体よく転がり込んだ 久遠の武装神姫、また自らの神姫を用いデータ収集している。 前者の「エネルギー重視型」はCTaの所有する沙羅・ヴェルナに搭載、 味覚センサー等は簡易的な物とされいる。従って、「味音痴の大飯 食らい」とでも言うべき性格である。そのかわり、クレイドルでの 休養(充電)は、データ等のバックアップする間のみ必要なレベルに まで達しているらしい。 いっぽう、久遠の神姫達には後者のコミュニケーション型が搭載され ている。特に味覚を始めとしたセンサー類が充実しており、それぞれ の神姫達に「嗜好」が生じている。しかし、エネルギーの変換効率は あまり向上しておらず、食べたものをエネルギーに変換が『出来る』 程度。当然、食事のみで全エネルギー(電力)を賄う事は出来ず、 クレイドルでの休養は、通常のモデル通り必須である。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/jyumawiki/pages/5683.html
アニソン アニソン(は行検索) 武装神姫 曲区分 曲名 歌手 作詞 作曲 編曲 OP1 Install×Dream 阿澄佳奈、茅原実里、水橋かおり、中島愛 azusa 織田哲郎 織田哲郎 ED1 太陽のサイン azusa azusa azusa azusa IM Let s get SPARK!! 阿澄佳奈、茅原実里、水橋かおり、中島愛 azusa 織田哲郎 織田哲郎 関連商品リンク 「 武装神姫 」オープニングテーマ Install x Dream (武装盤) 「 武装神姫 」エンディングテーマ 太陽のサイン (神姫盤) 武装神姫 1 Blu-ray 武装神姫 2 Blu-ray 武装神姫 3 Blu-ray 武装神姫 4 Blu-ray 武装神姫 5 Blu-ray 武装神姫 6 Blu-ray アニソン アニソン(あ行検索) 武装神姫
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1374.html
戦うことを忘れた武装神姫 その38 ・・・昼下がりの会議。 実にだるい。 なんでも、新製品の受注数がさっぱり伸びないんだとか。 あたしは設計側の人間として同席するハメになってしまったのだが、一部の連中がヒートアップしてマーケティングと企画とで水掛け論状態。 新製品は、多機能健康コタツだとか。 全く・・・あたしがあれだけ忠告したのに。こんな無駄な機能満載の製品にしやがって・・・。 本当に売る気があるのかよ・・・。 「だから、より機能を充実させ、付加価値を高めて幅広い層に受け入れられるようにするべきなんだ!」 「違う! もっと調査サンプル数を増やし、厳選した機能にするべきなんですよ!」 それさっきも言ってたよお前ら。。。 あぁもう、アタマ痒くなってきたぞ! あたしのイライラがピークに達したその時。 「多機能高品質が今は求められているんだ!」 「そんなに付加価値を付けたいのなら、非常食にできるよう『食べられる』ものを作れとでも・・・」 にゃーん 突如、罵声とも取れる激しいやりとりの中に「猫」の声が混じった。 会議室の空気が、一瞬固まった。 だが、あたしを含めた誰しもが外からの声だと思い、再び空気が殺伐と・・・ 「・・・食べられるものにしろと」 にゃーん! ・・・しなかった。 今度は、誰の耳にもハッキリと、室内からの猫の声が届いた。 会議室内がざわめき、皆足元や備え付けられたロッカーの上などへ視線が泳ぐ。 がさがさがさ。 かたり。 「うるさいのー! もう、ゆっくり寝てられないのだー!」 プロジェクターの脇に置かれた、プレゼンテーション用の製品模型の中から・・・マオチャオが出てきたではないか! しかもどこかで見たことのあるアホ面・・・ 「え・・・エルガ?!」 「あ、おねーちゃん。 おはにゃー。」 思わず声を掛けると、エルガのやつは、資料や飲み物で散らかりきったテーブルの上を、ちょいちょいと楽しそうに飛び跳ねながらあたしの手元へやってきた。 会議室内にいる全員の目があたしに集中する。 「ちょっとエルガ、何でここにいるんだよっ!」 「うみゅー・・・あの中で寝てたら、ここにいたの。」 なるほど、ウチの部署で作っていた模型の中で・・・って違う! 「ねぇねぇ、みんな怖い顔してなにしてるの?」 「企画会議って奴だ! とりあえずここに入ってろ!」 こんな席に神姫が紛れ込んだことが上司に知れたらって上司同席の会議じゃないかぁっ!!! 「やだー。 あ、設計図ー!」 捕まえようとするあたしの手をするり逃げて、臨席に置かれた新製品の設計図をしげしげと眺めるエルガ。 と、ひとり焦るあたしの背後にすっと企画部長が立った。脂汗がうなじを伝うあたしの肩をぽんと叩き、 「ちっちゃいロボットが好きなのもわかるけれど。程々にしてもらわないとな。 さぁ、二人まとめて出ていってもらおうか。」 企画部長が設計図に見入るエルガに手を伸ばした、その時だった。 「これ、おじちゃんたちが考えたの?」 顔を上げたエルガは、企画部長に設計図を指し示しながら訊ねた。 部長はロボットに何がわかると言わんばかりの顔付きで首を縦に振った。すると、エルガは- 「・・・ふっ」 いかにも小馬鹿にしたような・・・そう、久遠の家で、あたしがネタにされるときのあの目つきで- 鼻で笑いとばしたのだ。 「こんなこたつ、売れるわけにゃいのだ。」 言われた企画部長の頬がぴくぴくと引きつる。 「コタツのココロが無いコタツなんて、売れるわけにゃいのー。」 びっ! と、企画部長に言い放った。 「ふん、ロボットに何がわかると言うんだ。」 「えらそーなクチを叩くのなら、もっと売れるもの作ってからいうのだ。」 切り返されてうろたえる部長の姿に、凍りかけた会議室の空気が・・・和んだ。 「コタツ使いのプロのにゃーが、コタツのココロを教えるのだ! みんにゃ、よーくきくの!」 エルガはあたしの前に、どこからか持ち出した手のひらサイズみかん箱を置いて上に乗り、何事か状況が掴めずに唖然とする出席者を前に、堂々と「コタツとは何たるか」を語り始めた。 語り口がネコネコしい為、始めは冗談半分で聞いていた連中も、徐々にエルガの話に耳を傾け。 ふと気づけば、エルガのワンマンショーとなっていた。 久遠の神姫の中でもエルガは結構語る方ではあったけれど、ここまで肝が据わって、かつ知識が豊富だったとは。 なにしろ、エルガの展開する「コタツ論」に、あたしも含め誰一人として反論できる者は- いなかったのだから。 それから一月の後。 食堂でやや遅い昼飯を食べていると、ぶら下げられたテレビでは通販コーナーをやっていた。 『では、今月の新商品です! 東杜田技研の『なごみ』! コタツの心、和の心を、とことんまで求めた、シンプルでありながら味わい深い、健康コタツのご紹介です!』 「ほー、もうタナカにも卸したのか。。。」 キツネ蕎麦をすすりながら、商品紹介を眺める。 結局、エルガのコタツ論に則り、機能をトコトンまで絞り込んだところ・・・当初とはうって変わり、生産予定数を軽く越える受注数が。 『ではここで、このコタツの設計に携わりました神姫のエルガさんに、このコタツのポイントをお伺いしましょう!』 先週、あたしの机の上で収録されたエルガの解説ショーが映し出された。 『どーもにゃのだ。 この「なごみ」は、テッテーしてコタツにゃの。なぜなら・・・』 あの時と同じ堂々とした面持ちで「なごみ」の解説・・・というかコタツ論を展開するエルガの姿。 まさか神姫が、ニンゲンの商品の開発に関わろうとは・・・だれが想像しただろうか。 神姫と人間。 すなわち、機械と人間の垣根が・・・ またひとつ、低くなった気がした。 ありがとう、エルガ。 アホ猫だと思っていたけれど、ちょっと見直したぞ。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1143.html
――BGM:ドレミファだいじょーぶ―― さて「はじめてのおつかい」今日は花道家の生駒さんのお宅にやってまいりました! 今日おつかいに出る子はなんと神姫ですよ神姫。 「それじゃあにーの丞、このフクジュソウの生け花を☆×スタジオまでね。平気そう?」 「うにー! 大丈夫ですにー!」 「・・本当に?」 「にーだっておつかいくらい出来るんですにー!」 「本当の本当に?」 「むー、にーはもう子猫じゃないですにー! いちにんまえですにー!」 「・・・判ったわ。でも無理はしないこと。それから、知らない人には付いて行かない事。いい?」 「わかったですにー♪ 行ってきますにー!!」 「いってらっしゃい・・・ああでも心配・・・(がさごそ)」 さて、心配そうなお母さんをよそに、にーの丞ちゃん(0歳2ヶ月)が初めてのおつかいに出かけます。でも鉢付きの生け花は重そうですね~。 「にー。にー・・・」 通り道の商店街を横切りながら、頑張って生け花をはこぶにーの丞ちゃん。でも、やっぱり神姫にそのサイズは辛いんじゃないでしょうか? 「お・・重いけどがんばるですにー! かぢばのばかぢから~! うにー!」 そんな最初からクライマックスでは無理があるでしょう。・・あれ? 道を誰かが塞いでいますよ~? 「うむ、父君とたま子が気を利かせてくれた休日とは言え、たま子が一体どんなへまをやらかすかと考えると気が気でないのう・・・。いかんな。妾も妹離れをせんとな」 「うにー! うにー!」 「・・・何じゃ、子童? そなた大層な活け花を携えてなんとする?」 おや、その種型神姫さんが話し掛けてきましたよ? いいんですかね~? 「え~っと、知らない人には付いていっちゃいけないですにー」 「・・・殊勝じゃな」 「でも、おねーちゃんは神姫だから大丈夫ですにー♪」 「・・・臨機応変じゃな」 え~、本当にいいんでしょうかね。あ、でも通行人に聞いたらその神姫、なな子さんはこの辺じゃ有名な神姫らしいですね。いい人そうですし。 「その花は、主の使いか? 福寿草とはいい趣味をしておる」 「おかーさんが活けたお花はかっこいいですにー♪」 「妾も、そう思うよ。コレも何かの縁じゃ。妾とて非力ではあるが助力しようか?」 「ダメですにー! これはにーのお仕事ですにー! ひとりでできるんですにー!」 「・・・たま子・・妹と、同じ反応じゃな」 「うにー?」 「いや、済まなかった。ではこうしよう、少し待っておれ」 ・・・あら? なな子さん、いきなり八百屋さんに入っていって台車を引っ張り出してきましたよ。 「そこの八百屋とは馴染みでな。お主の事を話したら台車を貸してくれた。これなら、おぬしの力で運べるであろう?」 そう言いながら鉢を台車に載せてくれるなな子さん。親切ですねー。 「おお! らくちんですにー!」 「笑顔まで、たま子にそっくりじゃな。では・・・」 「・・うに? どうしてついて来るんですにー? にーはひとりでおつかいするんですにー」 「いや。ただ・・・妾の散歩のコースとおぬしの行く方向が同じというだけじゃ。“たまたま”な」 「にー?」 「うーん、今どこですかにー?」 「ここの電柱、薄汚れておるな、見苦しい。まあ住所表記は見えておるのでまだ良いか」 「か、階段こわいですにー・・・」 「バリアフリー、というモノは神姫にも当てはまるかも知れぬな。こちらのスロープの方が余程歩き易いとは思わぬか?」 「あ、赤いしるしきれいですにー!」 「そういえば前たま子が赤いカエルをみて驚いておったのを思い出した。自然界では時として赤を危険色として扱う。人間もそれに習う辺り、意外と動物的部分を失っておらぬのかもな」 「えと・・☆×すたじお・・・。つ、着いたですに~!!」 目的地に着いた喜びで飛び跳ねるにーの丞ちゃん(実際は殆どなな子さんのお陰なんですけれど)。 「さて、妾はそろそろ・・・」 「うーん、大丈夫かしら・・・」 「うむ? ご婦人、関係者であれば堂々と中に入っては如何か?」 「・・え!? あ、ああ、誰の神姫か知りませんけど、お気遣いあ・・」 「あーっ!! おかーさん、どうしてここにいるんですにー!?」 「にーの丞!?」 あれ? 誰かと思えばにーのお母さんじゃありませんか。スタッフにも内緒で何してるんですか? 「にーの丞、そなたの母君か? まさか先回りして・・?」 「えっ!? いや違うのよ? 別に全然心配だったからとかじゃなくって、うっかりにーに届け先の楽屋を教え忘れたのよ? 決して頼りにしてなかったなんて事全然ないんだからね!」 「・・・語るに落ちておるぞ、ご婦人」 「いあや! そんな事はなくて・・・あの・・・ええと・・・」 「すいません、そんな所で立ち往生されるとスタジオ入れないんですが?」 あれあれ、漫才なんてしていたら通行の邪魔になっちゃっていますよ皆さん。 「ん?ああ、悪かった。だが妾達は・・・」 「お届けものなのですにー」 「あ、その生け花はきっと私の楽屋のです・・・あれ? まお? 今日は収録無い筈だろう?」 「うにー? にーはにーの丞ですにー」 「人違い? そんな筈は・・・」 「あ~~~!? 貴女って・・神姫タレントのイブリンちゃんじゃない!? 主演の『武装神姫2036』いつも見てるわよ!」 「はい、どうぞですにー」 「有難う」 立ち話もなんですから、と招かれたイブリンちゃんの楽屋で無事おつかいを果たすにーの丞ちゃん。良かったですね~。 「それにしても、届け先があのイブリンちゃんの楽屋だなんて。ファンなのよ私!」 「妾もテレビドラマの『武装神姫2036』はよく見ておるぞ。毎回ドラマとは思えない程思い切りの良いドタバタギャグで妹共々楽しく見させてもらっておる」 実際凄い人気ですよね『武装神姫2036』。・・・って私他番組の事いっていいんでしょうか・・・。 「はは、有難う。でもちょっと複雑。実はあれってほとんどノンフィクションなんだよ。私やマスターも本名で出ているし」 「ホントに居るの!? あの金持ち会長とか!?」 「ええまあ。と言うか、そのアホ会長のせいで、私はこんなペイントを年中することに・・・」 「そうじゃ、気になっておったのじゃが、その白いスーツカラーは確か耐水ペイントでは無かったか?」 「ええ、そうなのだけれど・・それを見たスタッフが悪乗りしてスピンアウトでこのカラーの神姫を発売したんだ」 「それ、にーの事よね。私もドラマの影響で買ったのよ~」 「うにー?」 「それで、その販促の都合で私は強制的に年中このペイントなんだ。全くいい迷惑ったらありゃしない・・・しかも撮影の度に塗り替えで・・・」 「人気者も大変じゃな」 「大体、私が忘れたいような出来事ばかり取上げられて、そのお陰でマスターの頭上に何度も目覚まし落とされたり、まおの馬鹿に何度も無駄なツッコミ入れたり、一番恥ずかしいセリフばかり何度もリテイク食らったりetcetc・・・。ぶっちゃけ花でも見て心を落ち着かせないとやってられない(泣)」 うわー、イブリンちゃん、まじで泣き崩れちゃいましたよ? 「にー。元気出すですにー」 「・・・妹の姿をした神姫に慰められるなんて、皮肉だな」 「妹の姿、か。・・・そもそも、我々にとって『姉妹』とはどういう意味を持つものなの、じゃろうな」 「なな子さん、あなたにも妹が居るんだ」 「ああ。目を離せないような迂闊者ではあるのじゃが」 「私の所もそうだよ。馬鹿ばっかりで、手間ばっかりかかって仕方ない」 「じゃが、血の繋がりなど持てない我々に、それがどれほどの意味があろうか?」 「にーの丞ちゃんには悪いけれど、こんな風に、妹の姿を模倣されたりだってするのにな」 「うに?」 「・・・妾達は所詮「道具」として生まれた身、都合良さでしか関係を持てぬのだろうか・・・」 「・・・別に、いいんじゃないのかしら?」 「「・・・え?」」 「人間だって、義理の兄弟や親子だって居るんだし、そうでしょ?」 「だけど、後付けの関係なんて、何時壊れるか・・・」 「だって結婚は赤の他人とするわよ?」 「・・・言いえて妙、じゃな。結局結婚も「他人」を「家族」にする行為という訳か」 「実際私の夫なんて出来の悪い弟が一人増えたようなものだし」 「・・・それって本当にいいのですか?」 「いいんじゃないのかしら。上手くいってるなら。貴方達も、聞いている限り、そう思えるけれど?」 「・・・まあ、あのマジョーラバカは私くらいしかしつけられないしな。・・・だけど」 「・・・たま子に「お姉ちゃん」と呼ばれない事など、想像すら出来ぬな。・・・じゃが」 「まだ自信ない? じゃあ、にーはどう思う?」 「うに?」 「こんな妾でも」 「こんな私でも、姉妹と呼べる家族がいていいの、かな?」 「にーのおねーちゃんになってくれるんですにー? にーはおねーちゃんがいっぱいの方がうれしいですにー!!」 「・・・いや、にー、そういう意味じゃなく・・・」 「ぷっ・・あははははは!」 「ふふ、ふふふ、成る程な」 「え? 2人とも?」 「妹って、みんな我がままみたいだね」 「そうじゃな」 「うにー♪」 「・・・ところで、そっちの番組スタッフさん? にーの丞ちゃんが届けた時点で収録終了の筈なのに、何でまだカメラ回しているんですか?」 いや、事情プロデューサーに話したら「そりゃ面白い! 特番でドキュメンタリーにしよう!!」って言われまして・・・。 「・・・勘弁してください(泣)」 「芸能界は、大変じゃな」 「か・・・かくなる上は・・・。獣牙爆熱!!!」 ちゃんちゃん(?) 目次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1341.html
戦うことを忘れた武装神姫 その37 <<その36から。。。<< 外で新聞屋のバッテリーバイクが走り廻る頃。 イオの膝の上で、シンメイは指をしゃぶりながら小さな寝息を立てていた。 「こいぬがえり、と呼ばれている症状のようですね。」 シンメイの頭をやさしく撫でながらイオが続けた。 「極希に、特にマスターを心から慕うハウリンやマオチャオに出現する症状ようです。以前、技研に来たケモテックの技術者の方が言っておりました・・・。」 CTaの所へ遊びに行った際にでも聞いたのだろうか。 「元々ハウリン・マオチャオは寂しがりやなんです。 特にシンメイのような性格だと、寂しさを内にこめてしまう傾向もありますし・・・。」 思い返せば・・・前兆は、確かにあった。 数日前の朝。 普段は食事中にちょっかいを出してくる事がないシンメイが、エルガと一緒に。。。 それだけではない。 一昨日などは帰宅するまで起きて待っていて、いつまでもうしろを付いてきていたっけ。。。 何故、気づいてあげられなかったのか。考え込む久遠に、 「みんな・・・毎日待っていたんですよ、マスターの帰りを・・・。」 といいながら、イオは涙をシンメイの頭の上にぽたりと落とした。 「忙しいのは解りますが、せめて、せめてもう少し・・・。」 ぽたり。 またひとつ、大粒の涙が落ちた。 「私たちのことも、見つめてください・・・。」 ・・・このところ、忙しさに追われ、ろくすっぽ神姫たちに目を向けていなかった。相手にもなってやれなかった。 思い返せばかえすほど、神姫たちがどういう思いをしていたのか・・・。胸の痛みに、思わずイオの顔を覗き込んだ。 ・・・シンメイを抱き、口元には静かな笑みを浮かべるものの、蒼い瞳は涙で潤ませた顔が・・・久遠の心にトドメを刺した。 神姫たちだけではないな・・・。 左手のイオとシンメイを、そっと傍のタオルの上へ乗せ、椅子に深く腰掛け腕を組み目を閉じ。 ただがむしゃらに、必死に走り続けなければならないときもある。 しかし、そんな時だからこそ、自分自身を見つめる瞬間が必要なのかもしれない。 ふと目を開け、右手にまだ残る傷跡を見つめた久遠。 そういえば・・・あの時以来、あいつにも会っていない気がする-。 わずかな間に、なんと大きなものを・・・ たくさんのものを、置き去りにして走っていたんだろう。。。 迷う必要はない。 ここで、一歩踏み出すべきだろう・・・。 イオの頭をそっと撫でて、久遠は立ち上がり。 自室の机の引き出しから、書きかけの書類を取り出し、仕上げにかかった。 -「今」を見直す鍵を開けてくれた、小さいけれど大きな存在に感謝をしながら-。 それから一月の後の朝。東杜田の正門前に、久遠のバイクが止まった。 ヘルメットをいったん脱ぎ、傍らに立つ守衛にIDカードを提示する。 「おはようございます。今日からはゲストカードではなくて、社員証ですね。」 と、ちょっと照れたような顔付きで社員証を受け取る久遠の胸ポケットからシンメイが半身を出し、なんとシンメイも社員証を提示。 「どうぞ今後もよろしくお願いいたします。」 小さく会釈するシンメイは、技研のロゴが入ったスーツを纏っていた。 「おや、これはこれは。 小さな社員さん、どうぞよろしく。」 結局、あの翌日。 久遠は辞職願いを出した。一悶着あったようだが、半ばごり押しの形で・・・。 そして、次なる職場として選んだのが、東杜田技研の関連会社であった。 もっとも、この会社も同じ敷地内にあるのだが。 同時に、神姫たちをアルバイトの形で、毎日誰かを連れていくことに。家で退屈な毎日を押しつけてしまうことなく、刺激的な日常が送れるはずだから、と・・・。 久遠がシンメイを交え守衛と話をしていると、通りから飽きるほど聞き慣れた野太いエンジン音が響いてきた。 「やっべ・・・つかまる前にタイムカードだけでも通すぞっ!」 その音に脂汗をにじませた久遠、大慌てでヘルメットを被りなおす。 シンメイも状況を察し、さっと胸ポケットに収まった。 久遠がフロントを軽く浮かせて敷地内に消えていった直後。 「何も逃げることないだろー!」 GSXに跨ったCTaが、守衛を半ば突破する形で久遠を追いかけていった。 小さい存在が運び、結ぶ、大きな明日。 ・・・かくして、久遠の・・・いや。 久遠たちの、新たなる日常の幕が、上がった。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/535.html
戦うことを忘れた武装神姫 その22 ・・・その21の続き・・・ 「なぁ・・・お前らは、本当におっきくなっちゃっていいのか?」 「?」 久遠の問いかけに、怪訝な表情の久遠の神姫たち。 「ちっちゃいからこそ、出来ることがあると思うんだけど。なぁ、CTa。」 そのとき久遠に振られて、はっと気が付いた。 -なんで、あたしはちっちゃいもの研に入ったんだろう-。 「そう言われてみれば。」 シンメイが腕組みをして考える。 「うにゃー、にゃーは、やっぱりちっちゃいまんまでいいよー。」 と、ぐい飲みの日本酒を飲み干したエルガが言った。 「にゃーは、ちっちゃいからマスターとラヴーなの。 おっきくなったら、 マスターといっしょに出かけられない。 そうすると、マスターのお仕事の お手伝いができなくなっちゃうのダ。」 そういやエルガは最近、久遠の仕事でプレゼンのサポートするようになった とか言ってたっけ。。。 シンメイも続けた。 「大きな身体を頂けば、掃除やお料理で、マスターのお手伝いをすることが 出来るようになると思います。 ですが、そうすることであたしも多くの物 を失うことになりますし、マスターも失う物があるはずです。 たとえば、 あたしたちを『かわいがって下さる』事、とか。。。」 「そうなの。 おっきくなれば、もっといろんなことが出来るの。おっきく なって、お手伝いもしたいよ? でもね・・・シンメイの言うとおりなの。 にゃーは、やっぱりちっちゃいにゃーが好き。その方が、マスターはきっと かわいがってくれるの。」 「ですねぇ。。。 ちっちゃいあたしたちに一目惚れして、選んで頂いたん ですから。 ねぇ、マスター。」 「・・・その通り。」 久遠は2人の頭を撫でている。 「でもでも。」 エルガがさらに続けた。 「にゃーたちは、ちっちゃいままでイイっていったけど、きっとおっきな体 をほしがる娘もいると思うの。 本当に、マスターを助けたいって思ってる ひとも、いると思うよ? ねぇ、シンメイ。」 「私も同じ事を考えていましたよ。 それぞれの人間に、それぞれの進む道 があるよう、私たち神姫にも歩むべき人生・・・でいいんでしょうか、それ ぞれにあると思うんです。『神姫』として答えをひとつにすることは・・・」 「できません」 「できないにゃ」 2人は同時にあたしに向かっていった。 「ということだ。 なぁ、CTa・・・いや、木野羽よぉ。 思い出してみろ。 お前がちっちゃいもの研に入った理由を。」 -小さい存在だから、伝えられるものがある、だろ?- エルガとシンメイの小さな頭を撫でながら、久遠がぼそり呟いた。 -そうだ。 なんで、忘れていたんだろう。 こんなに大切な想いを。 -目前で久遠と飲んだくれているのは- -人と機械との垣根を低くした、小さくも画期的な存在- 「ん? どうした? そろそろ寝ゲロの時間か?」 「ばかたれ。 考えごとしていたんだよ。 ったく・・・いっつも寝ゲロを するわけじゃないっつーの。」 久遠の突っ込みに、テーブル下で軽くケリを入れながら答えた。 「痛ぇなぁ。。。 何も蹴ること無いだろ。」 「・・・久遠、ありがとな。」 「へ?」 「・・・何でもない。あーあ、なんか今日は酔えないなぁ。久遠、帰るぞ。」 「はいよ。割り勘でいいかな?」 と、久遠がエルガを持ち上げると、 「えー? にゃーはもっと飲む〜。」 名残惜しそうに徳利をつまみ上げようとするエルガ。 「エルガ、そろそろおひらきにしましょう。マスターもCTa姉様も、明日は 仕事なんですから。」 「ちぇー。」 久遠の頭にのぼったシンメイにたしなめられ、しぶしぶ久遠の胸ポケットへ 収まるエルガ。 その光景に・・・あたしの心は決まった。 「はは、いいモン見せてもらったし、いい話も聞けたし・・・今日はあたし がおごるよ。」 翌朝、まだ街が目を覚ます前。あたしは自慢の愛車(バイクだぞ)を飛ばし、 鳳条院グループのとある施設へ来ていた。フェレンツェ・カークランド博士 からもらった名刺の裏に手書きで記載されていた場所。。。 その門前にいる守衛に声をかける。始めは怪訝そうな顔をしていたが、博士 の直筆メモの入った名刺を見せると話は早かった。 あたしは、守衛に頼み、 ちっちゃいもの研の名刺と一通の手紙を渡してもらうようお願いした。 守衛は快く引き受けてくれた。あたしは丁寧に礼を言うと、おそらく二度と 来ることがないであろうこの施設に背を向けた。 ・ ・ ・ ・ ・ -親愛なるフェレンツェ・カークランド博士へ 先日は直々のお誘い、大変光栄に存じます。 ですが、誠に申し訳ありません。今回の件につきまして、残念なご返答を せざるを得ない結論に達しました。 博士の研究には、私も多大な関心を寄せております。 私が研究しており ます理論・技術の多くは、博士の取り組んでおりますHVIFに於いて、現段 階でもその多くが(HVIFのように、大型筐体であるならば)実現が可能と 思われます。 しかしながら私は、「小さきもの」での可能性を探ることが、私にとって 生涯の研究課題と思っております。 つきましては、HVIF計画への参加は、見送らせていただきたいと存じます。 ご期待に添えぬ回答となりました事、深くお詫び申し上げると共に、貴方 の研究がより一層の発展を遂げますよう、心よりお祈り申し上げます。 東杜田技研・小型機械技術研究製作部(ちっちゃいもの研) 主任研究員・工学博士 木野羽 さんご(Dr.CTa) 追伸:技術その他、相談にはいつでも応じます。その際、肩書きは無しで、 あくまで新規好きの一人として会っていただけると大変に嬉しく存じます。 ・ ・ ・ ・ ・ もう迷わない。 あたしの「道」はちっちゃい機械を極めること。 ちっちゃい機械が秘める「可能性」を追い続けたい。 だからこそ、この研究所に入ったんだ。。。 まだクルマも少ない国道を、アクセルを全開ですっとばす。 さー、早く出勤しないと。 溜まった仕事片付けないと、まーたヴェルナに ブチブチ言われちゃうからな。 おっと、ついでにロボビタンを買っていく かな。沙羅もお疲れの様子だし。。。 これでいいんだ。 あたしは、ちっちゃいもの研の主任、Dr.CTaなんだっ!! それに・・・。 神姫にあいつを取られたなんてなろうものなら、人間として失格だもんね。 <その21 へ戻る< >その23へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/552.html
戦うことを忘れた武装神姫 - type_S・各種設定 註:本編とはほとんど関係ない時系列で、本編の登場神姫を借りて いろいろ実験SSをやってみようというトコロであります。 主に↓をベースに、演劇させたりするわけでして。 「実験」なので読みにくい部分等あるかと思いますが、どうか その旨ご承知おきいただければ、と思います m_O_m ここは東杜田の、とある工場の敷地の片隅。 ちっちゃいカラダを持ったちっちゃいメカたちが、日々鍛錬をするための 学校があった。 そこは・・・ 〜私立東杜田武装神姫学園〜 〜登場人物〜 校長:Dr.CTa E組の先生たち 教科担当:フィーナ(ストラーフ) 実技担当:コリン(ヴァッフェバニー) 給食の人:アスタ(アーンヴァル) E組の生徒たち ヴェルナ(サイフォス):学級委員・外国語部 シンメイ(吼凛):保健委員・技術部 ティナ(猫爪):会計委員・外国語部 イオ(アーンヴァル):給食委員・科学部 エルガ(猫爪):昼寝部 沙羅(紅緒):武術部・作法部(兼部) マーヤ(ツガル):美術部 リゼ(ストラーフ):武術部・技術部(兼部) 委員(下記以外にもあるらしいです) 学級委員:学級のとりまとめ役。 優等生がこの委員になることが多い。 保健委員:看護だの検査だのと、と最も忙しい。修復技術が必須の委員。 会計委員:学費徴収から各種予算の配分まで。 提出物管理もしている。 給食委員:給食の配膳どころか調理することも。この学園独特の委員。 部活(下記以外にもあるらしいです) 外国語部:各種外国語の検定合格を目指してお勉強。 作法部:日本の心を大切に。お茶や着付けなどを習得。 美術部:きれいな武器・装備を日々造りだしている。 科学部:流星観測から化学合成まで。よく部室が爆発する。 技術部:武装のメンテや、本体の補修技術を日々研究。 武術部:既存の形にとらわれない、実戦重視の本格派。 昼寝部:日当たりがよい場所を探し、とにかく昼寝する。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/632.html
戦うことを忘れた武装神姫 その23 とある強雨の深夜。 本業の資料作成の締切が間近に迫り、久々の徹夜残業。 打ち出した配布用 資料の最終チェックを・・・と思い目を通していた、その時だった。 「ぅ・・・うわあぁああぁぁぁっっ!!!」 悲鳴を上げて、傍らの和-2型の試作クレイドルで寝ていた沙羅が、叫びと共 に飛び起きた。 あたしも驚き、イスからずり落ちてしまった。 「あ、すんませんマスター・・・。」 「・・・。 どうした、お前がそんなに叫ぶなんて珍しいじゃないか。」 体を起こしクレイドルを見ると、震えながら、まるで雨に打たれて飛べなく なった雛鳥のような目の沙羅があたしを見つめていた。 「今・・・またあの夢を見たっす・・・」 そっと沙羅を抱き上げ、手の上に載せた。 「そうか・・・。」 あたしの手のひらの上でも、こいつのふるえは止まらなかった。 - 迫り来る刃 - - 私と同じ姿の者に貫かれ - - 動かすこともままならぬ躰 - - 冷たく、哀しい涙のような雨 - 「あの」夢を見た後、必ずと言っていい程、沙羅が呟く言葉。 間違いなく、 久遠たちに救われる前の記憶なのだと思うが・・・。 敢えてあたしは聞く ことはしない。 どれほどに痛ましく哀しい事であったかは、聞かずとも、 十二分にわかるもの。。。 油と金属粉と有機溶媒でガサガサになった手だけれど、沙羅をそっと包んで やる。 「お仕事中じゃないんすか? マスター・・・」 「いいってことよ。 もうちょっと、こうしていようか。 そうだな・・・ 雨が止むまで。」 「そ、そんな・・・もう落ち着いたっす、仕事の続きを・・・」 「だーめ。 まだ膝が震えてる。 それなら・・・」 手の中から抜け出そうとする沙羅をあたしは抱き上げ、胸ポケットへそっと 入れた。 「ここでなら・・・寝られるか?」 実はこんな事もあろうかと、両の胸ポケットは充電クレイドル機能となって いる。もちろん、ふにふにクッション内装仕様。。。 すっと収まった沙羅 は、ちょっと顔を赤らめて小さく頷いた。 「ここならあったかくって・・・大丈夫っす。。。」 小さな身体を、もぞもぞとポケットの中へと潜り込ませる・・・と、反対側 の胸ポケットから、ヴェルナが顔を出した。 「あら・・・沙羅もですか?」 「ヴ、ヴェルナ?!」 ・・・そうなのだ。沙羅が飛び起きる少し前、ヴェルナもまた夢にうなされ 飛び起きてきたのだ。 ヴェルナは、お気に入りのイルカの抱き枕を手に、 ナイトキャップの装い。 「ったく・・・世話の焼ける神姫たちだよ。。。」 すっかりぬるくなった缶コーヒーをすすりながら、あたしが呟くと、 「すみません・・・」 「申し訳ないっす・・・」 ポケットの中で小さくなる2人。あたしはヴェルナの頭をグリグリと撫で、 沙羅にはお気に入りのキツネのぬいぐるみを手渡した。 「いやいや、謝ることはないぞ。 お前らみたいな、哀しみを背負ったちっ ちゃいものを救うこともあたしの仕事だと思っているんでね。 とはいえ、 今のあたしに出来ることっちゃー、このくらいだけどね。」 そう言うと、ヴェルナはぎゅっと服に顔をうずめ、 「ううん・・・最高の暖かさです・・・。」 と言った。 ここに来てからだいぶ経つが、2人ともずいぶんと変わった。来た当初は、 いわゆる人間恐怖症のような部分もあったが、最近では来客の相手をする程 だもんなぁ・・・。 だけれども、何か足りない気がする。 思わず沙羅の 顔を凝視してしまうあたし。 「・・・。」 「ウチの顔に何か付いてるんすか? マスター。」 そうか・・・。 足りないもの・・・。 「なぁ、お前らさぁ。 そろそろ家族増やさないか?」 「えっ! マスター、結婚するんですか?」 「ちゃうわい! 久遠の所のイオのボケがうつったのかと心配になるような 発言をするんじゃない。 神姫の方だ、神姫の。」 「・・・!!」 2人の目が輝いた。 思った通りだ。 確かに、客の出入りや久遠のところ の4人、Mk-Zを始めとした社内の神姫組と、交流のある連中が居るにはいる のだが、こいつらの日常の相手をしているのは、ほぼ、あたしだけ。 久遠 が、何故4人も置いているか、少し分かった気がした。 「近々、Mk-Zも新しい仲間を連れてくるそうだ。 対抗するわけじゃない けれ・・・」 と、あたしが言いかけると、両のポケットの2人は身を乗り出して我先にと 訊いてきた。 「マスター、名前はどうするんすか?!」 「どの子が来るんですか? 猫爪ですか? アーンヴァルですか?」 「だー! まだ、まだだってば! 予算も立てて無いのにっ!」 もう、仕事どころではなくなった。 結局、この後数時間、2人とのハナシ に付き合うハメになった。 とはいえ、今まで2人の「寂しさ」に気が付い てあげられなくて申し訳ない気持ちもあったし、あたしもまた、神姫家族を 増やしてみたい気持ちもあったし。。。 話は盛り上がり、仕事にようやく戻ったのは丑三つ時を過ぎた頃。ポケット には、キツネのぬいぐるみを大事そうに抱きかかえた沙羅、イルカの抱き枕 をぎゅっと抱きしめるヴェルナ・・・ 2人ともまるで仔猫が母の元で眠る ような笑顔を浮かべ、小さな寝息を立てていた。 どんなに忙しくても、どんなに辛くても。 あたしには、その笑顔がそばに あれば、それだけで充分な気がしてきた。 さーて。 週末は・・・久々の大口ショッピングだなっ! <その22 へ戻る< <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/969.html
武装神姫のリン 鳳凰杯篇 その3 「ふう、何とかなったな。」 鶴畑大紀は表情には何も表さないが、小さく安堵の声をだす。 ミカエルの勝手でセカンドランカー相手に黒星をこんな形でつけることになれば、自分は周囲の笑いものになると分かっていたからだ。 昨夜の出来事でミカエルのコアを変えることは確定していたが、それでもこの大会は兄に自分の力を示すための絶好の舞台なのだ。 ここで棄権という形をとることは出来ない。 だからこそ、何らかの要因でミカエルが戦う気をなくした場合の緊急用のプログラムとして"現在のミカエル"自身から体のコントロールを乗っ取り、戦闘行動を行う独立AIを仕込んでおいた。 これがこんな形で作用することになるとは思わなかったが、AIを仕込んだ彼の選択は正しかったのだ。 今このとき、"ミカエル"は生意気なことにも言葉巧みにミカエルをサレンダー一歩手前まで貶めた悪魔型に砲撃を加えている。 荷電粒子砲を撃ち、その反動を殺しつつも正確にレールガンを撃ち込む。 何とか紙一重で避けられているようだが、その尋常ならざる威力は確実に相手にダメージを与えていることだろう。 砂煙の向こうに、悪魔型の姿が消える。 砂煙の向こうに消えていくミカエルを見てもその表情は変わらない。 完全に"乗っ取られた"ままなのだ。 そう燐は確信している、たぶんこの戦闘を終らせなければ彼女と話すことも不可能だろう。 彼女を消させない。そのためにそして自分のために、勝つ。 「いくら威力があろうとも…直撃しなければ!!」 砂煙が晴れるのを待っていてはやられる、とはいえ迂闊に飛び込むのも危険。 そのため、燐は一度距離を置く。 出来るだけ音を立てずに足を思い切り曲げ、一気に蹴りだす。そうして砂煙から脱出す… 「チリとなれ」 そこを荷電粒子砲が襲う。 「それぐらい…!」 燐は滞空中に無理やり武装腕部の右手の爪を地面に突き立て、それを軸としてコンパスのように回転して進行方向を変更。 そのまま"ミカエル"へと跳ぶ。 「倒します、貴女を!!」 左手の鎌を振りかぶり、また大きくなった右腕の爪を光らせてミカエルへと突進する。 一撃目、爪による攻撃はビットのシールドに防がれるが衝撃はビットを吹き飛ばす。 そこから刹那遅く繰り出される本命の一撃。 鎌による一閃をミカエルは荷電粒子砲で受ける。 それで粒子砲は使い物にならなくなった…しかし。 「…切り裂け。ゼロ」 突然切断された粒子砲の中から飛び出した何かによって燐本体の右腕に傷が出来る。 「なっ…」 それに気をとられた隙にレールガンが撃ち込まれ、直撃は免れたものの燐は後退せざるを得なかった。 思わずひざをつく燐。 右腕の傷は浅いものの、痛みによって集中力が鈍る。 こんなことではダメだと分かっていても痛みは予想以上だ。粒子砲から出てきた"ゼロ"の刃は毒付きだったのかもしれない。 とにかく、体制を立て直す。 右腕をかばいつつも立ち上がる。 細かな傷はあるものの、武装が使用不可能になるようなダメージは無い。まだ戦える。 左手にはフルストゥシリーズによる連結刃。右腕はそれに添える。 3段攻撃。 あの技ならば、たとえ後ろから攻撃されて背部武装が砕けようがその次が己自身を撃つ前に届く。 防御は考えないで、攻撃あるのみ。 「燐、あせるな。絶対できるぞ!!」 マスターの声が聞こえる。そう言われてコレを試さないわけには行かなかった。 「行きます、風琴!」 燐はまたもミカエルへと突っ込む。ビットは先ほどと同じく防御体制だ。攻撃は通らない。 はずがビットが次々と爆発していく。 ふと見れば燐の傷ついた右手にはリボルバーが握られ、ビットが防御フィールドを張るために突き出す1点のユニットを次々撃ち抜いていく。 ミカエルもこの事態に身を翻し距離ををろうとする。が足が引っ張られる。 見れば連結刃が脚に絡まり、そこから伸びたワイヤーが燐の武装腕部につながっている。 「ち…」 ミカエルは腰から引き抜いたレーザーブレードでワイヤーを切断する。 が切断される寸前で燐がワイヤーを引き。ミカエルの体勢がを崩す。 「ゼロ!!」 また見えない何かが襲ってきてその刃はまた己の体を切るだろう。 それでも燐は止まらない、ミカエル交わした約束。 それを守るために突き進む。 「…!」 ミカエルの目前、1瞬だが鏡に光が反射したかのようなきらめきが燐には見えた。 そこにゼロがいる。そう燐は信じて右手を振り上げてトリガーを引く。 "カシャン"というあっけない音を立ててゼロが砕ける。 ゼロの正体は通常は不可視の円盤型のビット。ほぼ完璧なステルス性を持った円盤のふちが刃になった兵器。 ただ特性上、通常反射する光を98%カットしたとはいえ、まれな条件が重なった場合。神姫であればその反射光を探知可能かもしれない。 そう技術者が言っていたのを鶴畑大紀は思い出した。 そんなゼロを打ち破る唯一の手がかり。 それが燐に見えたのは持ち前の集中力の賜物だったのか、それとも運命のいたずらなのかは分からない。 それでもゼロがあっけなく落とされたのは鶴畑大紀にとって衝撃だった。 「なっ…」 ミカエルもそれは予想だにしていなかったらしい、戦闘用AIとはいえ多少の感情の幅は残っていたのか。うつろだった目が見開かれた。 「させん!!!」 いままで気がつかなかったが、腰にもう1本装備されたレーザーブレード。 それを両手に取るミカエル。 砲撃戦が得意な天使型であるにもかかわらず。あくまで立ち向かって来るらしい。 燐は気を引き閉めつつ、一度深呼吸。 それと同時にブースターを思いっきり吹かせてミカエルに迫る。もう左手に握られた鎌をぶつけるのみ。 それはミカエルも同じだった。ゼロを失った今レールガンを撃つ距離も余裕も無い。レーザーブレードで迎え撃つしかなかった。 「これで!!」 「させん!」 2つの影が交差する。 一方は銀の翼を持つ悪魔。もう一方は白き翼を掲げた天使。 どちらもがほぼ同時に墜落した。 "両者同時に墜落だ~激しく砂煙が上がる~立ち上がるのはどっちなのか…もしくはどちらも立ち上がるのか…" 実況も息を呑んでいる。 そして会場を静けさが包む。 「…まだ、折れません。」 「まだだ…」 スピーカーに燐、ミカエルの声が響く。 いっせいに歓声が湧くがまだ砂煙は晴れない。 ようやく晴れた砂煙の向こうには、右足のランディングギアをすねから下を失いつつも両手の剣は離さないミカエル。 そして武装腕部を両方とも二の腕から失って武器を失った燐。 "立ち上がった両者だが燐選手は武器が無い!!これで勝負は決まってしまうのか~" しかし燐は正面向いたまま、ふと俺のほうを見て微笑んだ。 これで俺が言いたいことが燐には伝わっているということが分かって安心する。 「武器が無いのにどうするつもりだ?」 少し余裕を見せたのか…ミカエルが聞いてくる。 「いえ、まだ私には剣が残されています。」 ガシャンという音を立てて背部ユニットが落下。 そして燐の姿は素体に基本のアーマー類のみといいう出で立ち…だた右手に光る宝石が一つ。 「バルディッシュ…ある少女を守るために使い魔によって作られた杖であり武器。たとえ天使であっても切り裂きます。」 サイドボードの容量ぎりぎりに詰め込んだバルディッシュこれで決着が付くだろう。勝つにしろ負けるにしろ。 「いくよ、バルディッシュ…」 "yes sir" 宝石が光り、魔法の杖…バルディッシュ・アサルトに変わる。それと同時に燐の背中に大きなマントが現れた。 バリアジャケットのフル装備はサイドボードに入りきらなかったため、機動能力が上がるマントを優先した結果だ。 「ふん…その程度で」 「そちらも満身創痍にみえますが?」 突然ミカエルの背後にビットが浮かぶ。全機撃ち抜いたと思っていたが生き残ったものがあったらしい。 そして最後の舞が始まる。 「……ふん、動くか…終わりにさせてもらう。」 「まだ動きますか…やっかいですね」 ミカエルが構えるのは翼につながったレールガン。弾切れもしくは壊れたと思っていたが、まだ使えるらしい。 今の燐の防御力は薄い。あのレールガンを受ければ負けだろう。 マントによって機動力こそ戦装束のときより上がっているが、その代わりとして防御力がゼロに近い状態。 レールガンの弾速からしてこの数を全弾避けるということはかなわない。 横や後ろがダメなら…飛び込むしかない。 「行きます!!」 燐は全速力で飛ぶ。 「砕けろ!!」 連射されるレールガンを避け、時にはバルディッシュでたたき落とす。 しかしそれでも少しづつ身体に傷が増え、それにつれて反応が遅れ、またしても傷を負う。それでも燐は止まらない。 「堕ちろ、堕ちろ!!」 敵ももうがむしゃらに、しかしねらいは正確に撃ち込んでくる。 マントもだんだんとその形を保てないほどぼろぼろになっている。あと…数メートル。 たったそれだけの距離だ。たどり着いてみせる。 「ええい、堕ちろといっている!!」 ビットが背後から砲撃を加えてマントの推進、滞空能力を奪おうとする。 ハーケンフォームとなったバルディッシュ・アサルトを背後に振り抜き残り3機の内2機を撃墜、残り1機は…矢のようなプラズマエネルギーの塊を発射する「プラズマランサー」で仕留める。 そして一瞬だけ肉眼では捉えられなくなるような速度へと加速する技であるブリッツラッシュを使うことにより"紙一重"でレールガンを回避。 これで使える技は無くなった。後はこのハーケンフォームの刃のみがたよりだ。 一方のミカエルも先ほどの砲撃でついにレールガンが弾切れを起こし、頼れるのは腰に備えたレーザーブレードのみになった。 「くっ、死ねぇ!!」 「私は…負けない!!」 お互いが、最後の力を振り絞って、跳ぶ。 ミカエルがレーザーブレードを振り上げ、燐がバルディッシュを横に振りかぶる。 激突。 レーザーブレードがハーケンの刃とつばぜり合いを演じる。 しかしコンディションの分だけミカエルの方が有利。しかし 「はぁ!!!」 「なっ…」 気迫は明らかに燐がミカエルのそれを上回った。 そして、 「もう、終わりにしましょう。」 「ほざくな!!」 ミカエルがレーザーブレードを力づくで振り切り、バルディッシュをはじき飛ばした。 「これで私の勝t…がぁ!」 勝利を確信していたであろうミカエルのほほに、衝撃。 燐はバルディッシュを支える腕の力を抜き、ミカエルがレーザーブレードに加える力のベクトル利用して体を回転。 そしてその遠心力を使った回し蹴りを叩き込んだのだ。 ミカエルの手から離れたレーザーブレードをキャッチし、燐はミカエルの胸の中心を穿つ。沈黙。 "勝者、燐。" スクリーンに静かにジャッジAIが下した勝敗が表示された。 ~鳳凰杯篇その4?~